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館内 資料展示コーナー

図書館 アクティブラーニングコモンズ(交流の床1階)にあります(閲覧は学内者限定です)。

2024/11/6  11月の展示資料

≪動物物語≫


本学図書館の貴重書庫には、動物を描いた絵が色々あります。一枚の紙や絵巻、絵本のなかに描かれたもの、十二支の動物や想像上の動物、擬人化された動物もいます。昆虫や魚介類もいますし、日本にはいない動物もいます。
今回は、何らかの物語を背負ったものを中心として、貴重書庫などのなかから、様々に描かれた種々の動物たちに出てきてもらうことにしました。

A 十二類絵讃――歌合(うたあわせ)する十二支の動物たち

請求記号
186.9/Ka57/1~5
書誌事項
絵巻1軸 縦32.4㎝×全長590㎝ 江戸時代前期頃写
概要
十二類絵巻は、室町時代に成立した御伽草子(おとぎぞうし)。十二支の動物を擬人化し、前半は歌合(うたあわせ)、後半は合戦・遁世(とんせい)を描いております。展示品は、冒頭部に展開する十二類による歌合(うたあわせ)の部分だけが取り出されて、絵巻に仕立てられています。すなわち、それぞれ衣装をまとった十二類の肖像が、二類ずつ組み合わせて描かれ、その上に各々の詠んだ歌が掲げられる、という形です。

B キンダーブック創刊号――稲に害する動物を成敗する動物

請求記号
379.9/Ki42/1-1-1
書誌事項
B4版1冊+付録 昭和2年(1927)刊 フレーベル館発行
概要
月刊保育絵本『キンダーブック』の創刊号は、米をテーマとした絵本になっています。稲に関わる動物たちが、楽しく理解できるようになっています。なお、創刊号として従来知られていたのは、B5版縦長のものでしたが、展示品はB4版横長のもので、すなわち創刊号は二種あることが明らかとなり、そういうことがわかる貴重な資料ということになります。

C 石燕(せきえん)画譜――杖(つえ)を持って驢馬(ろば)に乗る、小さな小さな仙人

請求記号
YK721/T
書誌事項
2冊 縦30.9㎝×横22.0㎝ 安永3年(1774)刊 外題「鳥山彦」
概要
江戸時代中期の鳥山(とりやま)石燕(せきえん)(1712~1788)は、多くの妖怪を描いた画家として知られています。『ゲゲゲの鬼太郎』で知られた漫画家水木しげるも、石燕の作品に多く取材しています。『石燕画譜』は、石燕のよる色刷り画譜で、2冊に合わせて二十六面の絵を載せています。「ふきぼかし」という色刷りの技法を工夫した最初の本だと説かれたりもします。

D ちりめん本Momotaro――あの桃太郎を、英語とスペイン語で

請求記号
英語版:913.8/J24/1  スペイン語版:388.1/C95/1
書誌事項
英語版  縦15.2㎝×横10.3㎝ ダビッド・タムソン訳 明治19年(1886)刊
スペイン語版 縦15.2㎝×横10.3㎝ エスパダ訳 大正3年(1914)刊
概要
ちりめん本というのは、和紙に印刷したあと、それを揉(も)んだり伸ばしたり加工して、縮緬(ちりめん)(絹織物の一種)状に皺(しわ)をよせ、本に仕立てたものです。長谷川武次郎(1853~1938)が考案し、明治時代中期以降、外国人の日本土産として人気を博しました。展示品は、日本昔話シリーズのちりめん本、特に桃太郎を中心としています。

E 李朝版画 年画(ねんが)――案外かわいい!?魔除(まよ)けの虎

請求記号
732.21/Kj5
書誌事項
1枚 縦23.7㎝×横16.3㎝ 朝鮮半島・李朝時代
概要
年画(ねんが)というのは、春節(旧正月)に各戸の門に貼ったりした、厄除(やくよけ)や慶祝の祈願をする民間絵画です。展示品は、李朝の版画で、愛嬌(あいきょう)のあるかわいい感じの虎を描いていますが、中国の『風俗通義』に「鬼魅(きみ)を食ふ」と記されていて、虎には悪鬼を退けるという意味があるようです。

F 奈良絵本 蛤(はまぐり)の草紙――蛤から出てきた女性を・・・・・・

請求記号
913.49/H23
書誌事項
奈良絵本2冊 縦17.5㎝×横23.8㎝ 江戸時代前期写 外題「はまぐり」
概要
室町時代後期から江戸時代中期にかけて、カラフルで美しく、素朴な味わいを持った手書きの絵本が多く制作されました。「奈良絵本(ならえほん)」と言います。といっても、奈良との関係は特にないらしく、名称の由来はよくわかっていません。展示品は、『蛤の草紙』という御伽草子(おとぎぞうし)を奈良絵本に仕立てたものです。

G 百鬼夜行(ひゃっきやぎょう)絵巻――白竜の妖怪、蟻(あり)の妖怪、麒麟(きりん)の妖怪、等など

請求記号
721.2/H99
書誌事項
絵巻1軸 縦37.5㎝×全長485㎝ 江戸時代後期写
概要
種々の器物の化けたものなど、列をなして徘徊する妖怪たちを画いた絵巻です。百鬼夜行絵巻は種々のものが現在に伝来していますが、展示品は、京都大徳寺の塔頭(たっちゅう)真珠庵に所蔵される、有名な真珠庵本(重文)の系統に属する模本であるようです。